耳の病気
目の病気
口の中・歯の病気
骨・関節の病気

外耳炎
中耳炎
内耳炎
耳疥癬

結膜炎
角膜炎
白内障
緑内障
眼瞼内反

むし歯
歯周病
口内炎
口唇炎

骨折
脱臼
股関節形成不全
膝の前十字靭帯の断裂
椎間板ヘルニア

心臓の病気
呼吸器の病気
皮膚の病気
感染症

フィラリア症
僧帽弁閉鎖不全
心不全

気管虚脱
気管支炎
肺炎  
軟口蓋過長症
肺気腫

アレルギー性皮膚炎
ツメダニ症
膿皮症
脂漏症
疥癬症
ノミアレルギー性皮膚炎
皮膚真菌症
ホルモン異常による皮膚病
毛包虫症

ジステンパー
レプトスピラ病
ブルセラ症
イヌ伝染性肝炎
ヘルペスウイルス
ケンネルコフ
パルボウイルス感染症
コロナウイルス感染症
キャンピロバクター感染症

寄生虫
消化器の病気
泌尿器の病気
肝臓の病気

イヌ条虫症
回虫症
鉤虫症
コクシジウム症
鞭虫症
フィラリア症
バベシア症

急性胃炎
胃捻転
胃潰瘍
腸炎
腸閉塞

腎炎
腎不全
尿路結石症
膀胱炎

急性肝炎
イヌ伝染性肝炎

生殖器の病気
腫瘍
内分泌・
ホルモンの病気
脳神経の病気

「メスの病気」
子宮蓄膿症
乳腺炎
「オスの病気」
前立腺肥大
停留睾丸

乳腺の腫瘍
皮膚の腫瘍
腹腔の腫瘍
骨の腫瘍
リンパ肉腫
口腔の腫瘍

糖尿病
副腎皮質機能亢進症
尿崩症
甲状腺機能亢進症・低下症

てんかん発作
水頭症
熱射病
椎間板ヘルニア
ホーナー症候群

心の病気
     

支配性による攻撃性
恐怖による攻撃性

     



<耳の病気>


犬の耳は、耳介、外耳道、中耳、内耳に分かれています。


外耳炎

鼓膜と耳の入り口の間、外耳道で炎症が起きるのが外耳炎です。炎症が起きるほとんどの原因は、耳垢です。耳垢自体が外耳 道を刺激したり、耳垢に細菌がついて繁殖したりして炎症を起こしま す。

【症状】
とにかく痒がって、耳の部分をひっかいたり、壁にこすりつけたりします。ひどくなると痛みが伴ってくるので、耳のまわりを触るだけでも嫌 がるようになります。
耳の中をのぞいてみると、臭いがあったり、黄褐色の耳だれがみられたりします。
外耳炎を放っておくと、炎症が、中へ中へと進行して、中耳炎や内耳炎になっていきます。 【予防】
一にも二にも定期的な耳掃除。外耳道に毛がはえていたら、ピンセットなどで抜いて、お湯やオイルで湿らした綿棒で丁寧に掃除し てあげるようにしましょう。
掃除する時に、必ず、耳の中に異常がないかチェックするようにしましょう。
ただし、あまりに頻繁に掃除をすると逆効果になることもあります。目安としては、10日間から2週間に1回程度がおすすめです。

【治療】
耳だれや臭いが特にしない場合は、清潔な綿棒で、耳の中をきれいに掃除してあげましょう。
耳だれがあったり、臭いがある場合は、細菌感染が考えられるので、抗生物質による治療が必要です。 

【予防】
一にも二にも定期的な耳掃除。外耳道に毛がはえていたら、ピンセットなどで抜いて、お湯やオイルで湿らした綿棒で丁寧に掃除してあげるようにしましょう。
掃除する時に、必ず、耳の中に異常がないかチェックするようにしましょう。
ただし、あまりに頻繁に掃除をすると逆効果になることもあります。目安としては、10日間から2週間に1回程度がおすすめです。

★耳掃除のポイント
@ 頭をしっかり固定する
A 耳の中に生えている毛は取り除く
B 綿棒は人間用のものでよいが、細めのものを選ぶ
C 綿棒にお湯かオイルをつけて耳の内側から中まで丁寧に掃除する
D みえないところは、鼓膜や外耳道を傷つけることがあるので、みえる範囲を掃除する
E 耳掃除をする間隔は、10日間から2週間に1回。

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中耳炎

外耳炎がひどくなって中耳に炎症が起こる場合がほとんどです。ほかに、鼓膜が破れてしまったり、鼻やのどからの炎症が中耳に及ぶこともあります。


【症状】
痛みを伴うのが特徴です。中耳は耳の根元あたりなので、そのあたりを触ると痛がります。
食欲がなくなったり、発熱する場合もあります。重症になると、化膿した膿が鼓膜を破ってしまうこともあります。  
鼓膜が破れると、呼んでも返事をしなくなるなど、耳が聞こえにくくなります。

【治療】
外耳炎が原因の場合は、まず外耳炎の治療を行います。抗生物質を投与したり、薬液で洗浄するのも効果的です。

【予防】 
外耳炎にならないことが一番。定期的な耳掃除が大切です。また、シャンプーの時に耳の中に水が入らないように注意しましょう。

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内耳炎

外耳炎がひどくなった場合や、原因不明の場合も多くあります。

【症状】
内耳のどの部分に炎症が起きているかで、症状も違ってきます。難聴になったり、前庭神経に炎症が起きると平衡感覚がなくなってまっすぐ歩けなくなったりもします。

【治療】
難聴には、残念ながらこれといった治療法がありません。 
前庭神経の障害は、副腎皮質ホルモンやビタミンB1を与えるとよくなります。

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耳疥癬
(みみかいせん)

耳垢を食べる体長0・5mm程度のミミヒゼンダニというダニが、外耳道の皮膚に寄生し、繁殖して起きる病気です。

【症状】
ダニが寄生すると耳の中に黒っぽい悪臭がする耳垢がたまります。
耳垢を綿棒などで取って黒い紙の上に置いてみると、白っぽいダニが、動き回っているのがわかるはずです。また、激しい痒みが特徴です。

【治療】
耳垢をきれいに取り、ミミヒゼンダニを専用の殺虫剤で駆除します。
しかし、ここで駆除できるのは成虫のみ、卵は駆除できません。卵からふ化するまで3週間かかるので、1週間に1回程度連続して駆除するようにしましょう。

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<目の病気 >


結膜炎
 

結膜は、まぶたの裏側にある膜。この部分に炎症が起きるのが結膜炎です。犬の目の病気で一番起きやすい病気です。
結膜炎は、目を強くこすったり、目に毛が入ったり、細菌やウイルス感染、シャンプーなどの化学薬品による刺激、アレルギーなどでひき起こされます。両目ともに感染している場合は、細菌やウイルスの感染や、アレルギーが考えられます。

【症状】
まぶたのあたりを触ると痛がったり、痒がったりします。前足で目のあたりをしきりにこすります。

【治療】
原因が何なのかをまずつきとめましょう。
毛が入っている場合は、毛を抜きます。細菌やウイルスの感染が原因の場合は、抗生物質の目薬や眼軟膏で治療をします。
シャンプーなど化学薬品が原因なら、まず、目の洗浄が必要です。
痒みのために目をこすりすぎる場合は、エリザベスカラーをつけて、こすったりかいたりすることを防止します。

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角膜炎


角膜に炎症が起きるのが、角膜炎。
角膜は、目の表面を被っている膜です。
角膜炎になる原因は、結膜炎とほぼ同じで、目を強くこすったり、目に毛が入ったり、細菌やウイルスに感染したり、シャンプーなどの化学薬品の刺激、アレルギーなどです。 
両目とも感染している場合は、細菌やウイルスの感染や、アレルギーが考えられます。また、犬伝染性肝炎にかかると、ブルーアイという角膜が青白く染まったような状態になります。

【症状】
角膜炎になると、激しい痛を伴います。
犬は、まぶたを何回もパチパチしたり、前足で目をこすったりします。涙がたくさん出たり、こすりすぎて目が腫れることもあります。
症状が軽い時は、痒み程度でおさまりますが、中等度になると角膜が白く濁り、重傷になると白く濁った角膜が盛り上がり、まわりにこれまでになかった血管がみえます。

【治療】
原因となるものを、まず取り除きましょう。毛が原因なら毛を、シャンプーなどの目に入ったものが原因ならよく洗い流しましょう。
ウイルスや細菌感染が原因の場合は、抗生物質入りの目薬や眼軟膏などで治療します。

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白内障

白内障は、レンズの役割をする水晶体が白く濁る病気です。水晶体は、たんぱく質と水で構成され、そのたんぱく質が何らかの原因で変質して白くなり、視力が低下していきます。白内障の大半は、後天的な老化によるものです。
6〜7歳以上の高齢犬に起こりやすいので注意しましょう。また、年齢に関係なく糖尿病や中毒などによって起こるケースもあります。

【症状】
目の奥をよくみて、瞳孔の奥が白くなっていたら白内障と考えて間違いありません。目がみえにくくなるため、フラフラと歩行したり、何かにしょっちゅうぶつかったり、物音に強く反応したりします。

【治療】 
薬で水晶体の白い濁りを取り除くことはできませんが、進行を抑えることはできます。濁りがひどくなった場合、手術で水晶体自体を取ってしまうこともできます。水晶体を取ると、目のピントが合わなくなってしまうので、みえにくい状態になります。
目がみえないことを考えて、家の中の障害物を取り除き、安全を心がけてあげましょう

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緑内障

前房の中の液体、房水が増え、眼圧が高くなって起きる病気です。

【症状】
目の色が緑や赤色に変わります。緑内障になると瞳孔が開きっぱなしになるため、目の奥の緑や赤の組織がみえるようになるからですひどくなると視野が狭くなったり、視力が低下したりします。眼圧が上がるために、目が充血して、眼球が飛び出してきます。

【治療】
 原因となっている房水を減らします。
 利尿剤で排出を促したり、炭酸脱水酵素阻害薬で房水をつくり出すのを抑えます。それでも眼圧が下がらない場合は、手術が必要です。

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眼瞼内反

まぶたが内側に入り込んでしまう状態を、眼瞼内反と呼びます。先天的な異常による場合が多いですが、重度の結膜炎や外傷などで発症することもあります。
まつ毛が目を刺激して傷つけ、結膜や角膜の炎症をひき起こします。

【症状】
内反の度合いが軽い場合は、目が赤くなったり、目やにや涙の量が増えたり、まぶたが痙攣したり軽い結膜炎程度の症状が出ます。進行すると、慢性的な結膜炎や角膜炎をくりかえすことになります。

【治療】
軽度の内反なら、刺激しているまつ毛を抜いてから炎症を治療すれば、症状が軽くなることがあります。
重度の場合は、まぶたの形を整える手術が必要で、形が整ってから炎症の治療を行います。
子犬の時から症状が現れるので、目やにや涙が多かったり、犬が目を気にしてこすることが多い場合は、早めに動物病院で診断を受けましょう。

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<口の中・歯の病気>


むし歯

これまでは犬は、甘いものも食べないし、むし歯にかからないと思われていました。 
しかし最近むし歯になる犬が増えています。食生活の変化や、高齢化が原因として考えられます。
口の中で、食べ物のかすや細菌などが、唾液によって粘着性のある物体になり、それが歯について、歯垢(プラーク)をつくります。
歯垢の中にある細菌の働きでつくられた有機酸によって、歯の表面のエナメル質が溶け、穴があき、奥へ奥へとむし歯は進行します。みた目でわからない場合でも、レントゲンで撮影するとはっきりと診断できます。

【症状】
歯の色が茶色から黒くなったり、穴があいたりします。
最もむし歯になりやすいのは、歯肉の上の部分や、食べ物のカスがたまりやすい上下の噛み合わせの部分です。
ひどくなると口臭が強くなったり、痛みで食餌ができなくなることがあります。

【治療】
むし歯になっているところを削り取り、そのあとを充填して治します。
むし歯は、初期の段階で飼い主が気づかないことが多いので、病院にきた時には既に抜歯しなければならないほど悪くなっているケースもよくあります。早期発見を心がけましょう。

【予防】
定期的に歯科検診を受けること。また、日頃から、むし歯になりやすい所を中心に、歯磨きをしてください。
また、歯垢を取り除くために、固い食餌を与えたり、ガムなどの固いものをかませるようにしましょう。

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歯周病

食生活の変化や、高齢化により、歯周病が急激に増えています。歯周病とは、歯の周辺にある歯肉に炎症が起きる病気です。
歯垢がたまって発生します。歯垢は最初は柔らかいのですが、固い歯石になって歯と歯肉の間にすきま(ポケット)をつくり、そこに細菌が住みつき増殖します。ここに膿がたまると歯槽膿漏になります。

【症状】
初め、歯肉が腫れてきたり、出血したりしますが、初期の段階ではみつけにくく、「口臭が強い」「歯が縦長になった」「歯の色が茶色になった」など明らかな変化に気づいた時には、重症になっている場合がほとんどです。
歯の病気と思って軽く考えると細菌が全身に回って、ほかの病気をひき起こすこともあります。

【治療・予防】
初期の段階では、歯垢や歯石を取り除いて清潔にしておけば、自然に回復します。
膿などがある場合は、それを取り除いて抗生物質を与えます。
歯周病はむし歯と同じで、日頃のチェックと予防が肝心。歯磨きに加え、一年に一度は獣医師に歯石を取ってもらうようにしましょう

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口内炎

口の中の粘膜の炎症です。食餌の固いものや骨などが口の中を傷つけ、口内炎が起きることもままあります。健康な犬であれば自然に治ります。
また、糖尿病や、ビタミン欠乏症、腎臓病など、全身的な病気の影響で、炎症も赤い発疹状、水ぶくれのような水泡状、薄い膜を伴う潰瘍性のあるものなどいろいろです。
病気の症状のひとつとして口内炎になることもあるので、口内炎ができたらよく観察するようにしましょう


【症状】
痛みのために、空腹にもかかわらず食餌を食べる量が減ってきます。口臭も強くなってくることが多く、前足で口のあたりをかきはじめます。
重症になると発熱することも。そっと口を開けて患部をみてください。赤く腫れたりただれたりしています。

【治療・予防】
炎症を起こしている場合は、抗生物質を投与します。 
直接患部に抗生物質の軟膏を塗るのも効果があります。
また、ビタミン不足が考えられる場合は、ビタミン剤を与えます。口の中が痛いので、食餌は柔らかいものを食べさせてあげるようにしましょう。口の中をきれいにするためにも、歯磨きを忘れずに。

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口唇炎

口唇炎は、唇に炎症が起きる病気です。
原因は、物理的原因が多く、唇にケガをしてそこから細菌感染して発症します。アレルギーなどで唇に炎症を起こし、そこから細菌が入って腫れることもあります。

【症状】
痛いので、足でしきりに唇をひっかきます。
患部は脱毛することが多く、痛いだけでなく痒みを伴うこともあります。

【治療】
刺激の原因となる物質を取り除いたら、あとは清潔が第一です。食餌の後は、口のまわりをいつも清潔にしておきましょう。
特にしわの多い犬種は、しわの部分の中もぬれたタオルなどできれいに拭いてあげるようにしましょう。
口唇炎になってしまったら、抗生物質を投与したり、抗菌石鹸で患部をきれいに洗浄します。一にも二にも清潔を心がけましょう。

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<骨・関節の病気>


骨折

ほとんどの骨折は、交通事故や、高いところから落下したりした物理的な衝撃から起きます。また、病気で骨が弱くなっていると、ちょっとした衝撃でも折れることがあります。

【症状】
強い痛みと腫れを伴います。折れた骨が、筋肉や皮膚を突き抜けて外に出ているものを「開放性骨折」といい、細菌に感染する機会が増えます。
皮膚に傷がなく、中で骨が折れている骨折を「閉鎖性骨折」といいます。

【治療】
ボール紙など固いものをあてて、足を動かさないように固定します。「開放性骨折」で出血している場合は、止血するために強く縛ることで骨に負担がかかるため、多量のガーゼを当ててて止血しましょう。
犬が痛みなどで興奮することが多いので、まずは落ち着かせるように心がけ、十分に気をつけて動物病院へ連れていきましょう。
病院では、X線検査で骨折の位置を確認し、ショック状態を改善するため、輸液や補液をします。
同時に、感染症から守るために抗生物質、炎症を抑えるために消炎剤を投与します。
また、骨折の状況に応じて、ギブスで固定したり、手術をして、ボトルなどで固定したりします。

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脱臼

関節の骨と骨が、正常な位置からずれてしまう症状を脱臼といいます。
原因としては骨折と同様、交通事故や高いところから落ちたり転倒したりして起こるものと、「習慣性脱臼」と呼ばれる先天的なものがあります。

【症状】
脱臼は、脱臼した場所、骨のずれ方で症状が異なります。共通している症状は、腫れ、
痛み、足の長さが変わる、足をひきずって歩くことです。
脱臼が起こりやすい部位としては、股関節と膝蓋骨があげられます。

【治療】
股関節脱臼の場合は、靭帯などに損傷がなければ、元の位置に戻して、ギブスなどで固定したり、外科手術を施します。
膝蓋骨脱臼は、手術によって治療します。発見し次第、早めに手術を行いましょう。
特に成長期にある犬の場合、どんどん変形が進行するため、手術が遅れれば遅れるほど、修復が困難になります。
膝蓋骨脱臼は、先天的な要因で起こることがあるので、犬を選ぶ時には、両親に膝蓋骨の異常がないか、注意するようにしましょう。

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股関節形成不全

犬に多い遺伝的疾患のひとつです。
股関節の骨の成長が十分でなく、丸くなっているはずの大腿骨の先が扁平になっていたり、受け皿である骨盤のくぼみが浅かったりで骨と骨がうまくかみ合わない状態を
いいます。
遺伝的な要因が多いとはいえ、子犬の時の肥満も原因にのひとつです。
発育期に肥満になることで、骨や筋肉のバランスが崩れ、骨の組織が正常に発達できなくなって起こることがあるのです。
特に、生後60日の間に、骨や筋肉に加わる力が発病に関係します。成長の早い大型犬が発病しやすいのもこのような理由からです

【症状】
片方の関節だけに起こる場合もありますが、両方の関節に起こるほうが一般的です。
生後6カ月くらいから、症状が現れてきます。腰を揺らしながら歩いたり、走る時に両足を揃えて走ったりします。
歩き方がいつもの様子と違う、ほかの犬と違うと感じたら、よく観察するようにしてください。 病院では、X線検査を始めとして触診などの診察をします。触って痛がる場合は、軽く麻酔をかけて、X線検査をします。

【治療】
治療は、形成不全の状態により変わります。軽度の形成不全の場合は、運動をさせず安静にして、まず体重を落とすようにします。
進行が進んだ場合は、運動と体重を制限をしたうえに、鎮痛剤や抗炎症剤などを使って、薬物療法を行います。
病状が重く、内科的治療で効果がみられなかった場合は、手術を行います。
さらに、病状が深刻な場合は、大腿骨骨頭を切り取って、関節を整復する手術をします。
人工関節に取り替える手術も非常に効果的ですが、人工関節が高価なこともあり、欧米に比べ日本では普及が遅れています。

【予防】
股関節形成不全の発症原因の70%は遺伝的要因です。子犬を飼う場合は両親が股関節形成不全でないかチェックするようにしましょう。

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膝の前十字靭帯の断裂

膝の前十字靭帯は、交通事故などの外的要因で切れることもありますが、最近、高齢により靭帯が弱まったり、肥満によって膝に負担がかかって切れるケースが増えています。
特に、室内飼いの小型犬で肥満気味の犬に発病が多くみられます。

【症状】
後ろ足を上げて歩きます。痛みがある時とない時があり、徐々に痛みが消えていくこともありますが、病状は進行していることが多く、歩行異常は続きます。
膝関節が腫れて熱を持ちます。足を伸ばさせようとすると痛がります。
動き回るのは厳禁です。できるだけ早く病院へ連れていくようにしてください。ケージなどに入れて静かにさせて連れていきましょう。
病院では、触診やX線検査により診断します。

【治療】
小型犬は、体重の負担があまりないので、切れている状態によっては、ギブスなどで治す場合もありますが、中・大型犬をはじめ大半の場合は手術をします。
手術では、切れた靭帯を人工靭帯に変えたり、大腿筋膜などを移植したりします。
早期の手術が大事です。
痛がっていないからと放っておくと、2、3週間で関節炎をひき起こします。

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椎間板ヘルニア

背骨は、椎骨というたくさんの骨がつながってできています(194P図参照)。
この椎骨と椎骨の間には、「椎間板」と呼ばれる薄い軟骨がはさまれていて、背骨をスムーズに曲げる働きをしています。
この椎間板の真ん中に、クッションのような弾力のある線維輪で包まれた、柔らかな「髄核」と呼ばれる部分があります。
転倒したり、どこかに体を打ち付けて打撲したり、事故などで背骨に強い衝撃を受けたり、また、高齢になって椎間板が変形してくると、椎間板の中のこの「髄核」が、線維輪を突き破って脊髄を圧迫します。
こうして、椎間板ヘルニアはひき起こされます。
ダックスフンドなどの胴長短足の犬種は、特にかかりやすい病気のひとつなので、注意が必要です。

【症状】
痛がるのが特徴です。
「髄核」が脊髄のどの部分を圧迫しているかで症状が異なります。
腰で発症した場合は、歩行が困難になったり、症状がひどくなるとトイレができなくなったり、麻痺が起きることもあります。

【治療】
軽い場合は、炎症を抑える抗炎症剤やステロイド剤で治療します。
重症になると、手術を行って、圧迫している椎間板を取り除きます。

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<心臓の病気>


フィラリア症(イヌ糸状虫症)

犬の代表的な心臓病といえばフィラリア症です。フィラリア(犬糸状虫という寄生虫)が、心臓の内部に寄生することで起きる病気です。蚊が媒介して、犬から犬へと感染します。
フィラリアの感染経路は少
々複雑です。フィラリアの成虫が寄生しているからといってすぐにフィラリア症にかかるわけではありません。
フィラリアの成虫はまず、犬の心臓の中に寄生し、ミクロフィラリアという子虫を血液の中に産み付けます。
アカイエカが、犬の血液を吸う際に、このミクロフィラリアも一緒に吸い込むことになり、今度は、このミクロフィラリアは、蚊の中である程度発育します。発育したミクロフィラリアを体内に持っている蚊が犬の血液を吸う時、この発育した子虫が犬の体内へ送り込まれて寄生します。
犬の体内に寄生した子虫は、2?3カ月の間に、皮膚などで発育して血管に入り、心臓に移動して右心室と肺動脈あたりで、太さ1ミリ、長さ20センチの成虫になります。
フィラリア症は、フィラリアの成虫が、寄生している右心室と肺動脈に傷をつけたり、成虫がたくさん寄生し、からんで球状になって血液の流れを妨害することで、うっ血性の心不全を起こします。

【症状】
軽症の場合は、少しずつ症状が現れます。蚊がいる時期になると、心臓に寄生するフィラリアがだんだん増え、最初の症状である乾いたせきをするようになります。
この時期が長くなり慢性化すると、せきも激しくなり、せきをする時間も長くなります。せきがひどくなると吐くこともあります。
フィラリア症の症状でもうひとつ特徴的なのが「腹水」。腹部がどんどん大きくなっていきます。この状態が続くのが「慢性フィラリア症」で、症状が急激に襲ってくるのが「急性フィラリア症」です。
「急性フィラリア症」は、右心室に寄生していたフィラリアが、右心室を越えて右心房に移動し、右心室と右心房の間の三尖弁と呼ばれる弁が閉じなくなって起こります。激しい呼吸困難が起きて動けなくなります。時には、茶色の尿を出すこともあります。

【予防】
毎年、蚊が出る時期になったら薬を飲ませること。月に一度飲ませるタイプと、毎日または1日おきに飲ませるタイプがあります。
注意したいのは、薬を与える前に、必ず犬の体内のミクロフィラリアの有無を確認することです。
既にミクロフィラリアに感染している犬に予防薬を与えると、ショックなどの副作用が現れる可能性があるからです。
薬を与えると同時に、できるだけ、蚊から遠ざけることを忘れずに。

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僧帽弁閉鎖不全

左房室にある僧帽弁が、完全に閉じなくなって起きる病気です。
僧帽弁は、糸のような細い腱で開閉しますが、この腱や腱を支持する乳頭筋の異常によって僧帽弁が閉じられなくなって起こります。
高齢な犬ほど発病しやすいのも特徴です。

【症状】
興奮するとせきが出ます。しばらくするとせきの間隔が短くなり、乾いたせきをします。ひどくなると呼吸困難や貧血になる場合もあります心音を聞くと心雑音が聞こえます。X線検査や心電図で調べると、左心室の肥大が認められます。

【治療】
強心薬や、利尿剤、血管拡張剤など内科的治療を行います。犬を興奮させないようにし、長い散歩は控えめにしましょう。
食餌は塩分の少ないものを選ぶこと。動物病院などで心臓病用の処方食が普及されているので、相談してみることをおすすめします

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心不全

心不全の多くは「慢性心不全」で、原因はさまざま。
心臓のまわりの血管の異常、弁の異常、心筋の異常、フィラリア症も心不全の原因になります。

【症状】
症状は、心不全が右心不全か左心不全かで異なります。
左心不全の場合は、左心に肺からの血液がたまってしまい、肺水腫、呼吸困難が起きます。
右心不全の場合は、肺へ血液を送ることができなくなり、右心に血液がたまり、腹水やむくみが現れます。

【治療】
心臓の働きをよくする強心薬やむくみを取るための利尿剤が投与されます。
肺水腫を解消するためには肺の血管を広げる薬、呼吸困難には気管支拡張剤を投与します。
心臓に負担をかけないように運動を制限し、食餌の水分と塩分を減らします。心不全用の処方食を利用するのもおすすめです。

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<呼吸器の病気>



気管虚脱

遺伝的な原因や肥満や老化などにより、軟骨が正常な形を保てなくなると、気管が押しつぶされることになり、空気の流通が悪くなって呼吸困難を起こします。
ポメラニアン、チワワなどの小型犬や短頭種に多くみられます。


【症状】
急に呼吸が苦しそうになり、時には激しいせきが出ます。運動後や夏の暑い時期によくみられます。
進行すると舌や歯茎が紫色になる、チアノーゼと呼ばれる症状をみせることもあります。体温調節ができなくなり、暑い時期は熱中症の原因になることもあります。

【治療・予防】
症状が軽いうちは、気管支拡張剤や抗炎症薬、鎮静剤などを与えて内科的散治療によって症状を抑えます。
重症の場合は内科療法だけでは完治は難しく、酸素吸入などが必要になることもあります。
なるべく安静にし、暑い夏は、風通しのよい涼しい部屋で過ごさせてあげましょう。

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気管支炎

ウイルスや細菌が、気管支で起こす炎症です。連続して乾いたせきをするのが特徴。
気管支炎を起こす原因となる感染症の代表ともいえるのが、細菌やウイルスが混合感染するケンネルコフ(→148P)です。また、ホコリや薬品の刺激やアレルギーで、起きる場合もあります。

【症状】
気管支周辺に炎症が起きているため、ものを吐き出すような乾いたせきをくりかえします。
吐くようにせきをするため、吐き気と間違うこともあるので注意してください。
気管支炎は、急性と慢性に分けられます。急性の場合、平常時にはせきをせず食欲も普通ですが、運動や食餌の時に発生します。
慢性の場合は、痰がからまっているようなせきになり、場合によっては呼吸困難に陥ることもあるので、特に注意が必要です。

【治療】
ウイルスや細菌の感染が原因である場合は、まず抗生物質などを投与して、原因であるウイルスや細菌を退治します。同時に、せき止めや、気管支の炎症を抑える薬も飲ませます。散歩などを控え、できるだけ安静にするよう心がけましょう。

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肺炎

ウイルスや細菌などによる感染症がひどくなると肺や気管支に炎症が起きます。これが肺炎です。
特にジステンパーやケンネルコフなどにみられる症状で、咽喉頭炎や気管支炎などが悪化し、呼吸困難や発熱を伴う場合も多いので十分に注意しましょう。

【症状】
せきが出ることが多く、せきがひどくなると吐き気を催すこともあります。また、呼吸が苦しくなりゼーゼーという呼吸の音がすることもあります。
呼吸数(→56P)がいつもより速くなり、発熱して食欲もなくなります。
首を伸ばすような時は、呼吸困難に陥っている可能性があります。重症になると横に寝ていることすらできなくなります。

【治療】
まず、感染を抑えるための抗生物質と、炎症を抑えるための消炎剤を内服させます。時には、薬を吸いこませる吸入療法も行います
呼吸困難の症状が強い時、酸素吸入を行います。
安静が基本です。肺炎にかかっている犬は、とにかく動かしてはいけません。静かで清潔な場所で注意深く観察してください。

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軟口蓋過長症

パグ、シー・ズー、ペキニーズ、ブルドッグなどの頭の短い短頭種に多くみられる病気です。
頭の短い犬は、口の奥にある軟口蓋が先天的に長く、喉の入口付近に垂れ下がっているため、空気の通る道が狭くなって呼吸しにくかったり、塞がれる面積によっては呼吸困難が起きることがあります。
これらの犬種の飼い主は、呼吸の状態を注意するように心がけましょう。

【治療】
症状にもよりますが、症状が重い場合は、内科的な治療ができないので、垂れ下がっている部分を手術で切除します。

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肺水腫

肺の中に水がたまって、呼吸ができなくなり、死に至ることもある病気です。
僧房弁閉鎖不全に代表される心臓病によって起きる場合もあれば、気管支炎などの肺につながる気管の炎症から起きる場合もあります。

【症状】
軽い場合は、運動の後にせきをしたり、苦しそうに呼吸をする症状が現れます。
重症になると、呼吸が浅く速くなったり、ゼーゼーと音をたてて呼吸したりしてせきもひどくなり、前足をつっぱった状態で呼吸することもあります。

【治療】
まず肺水腫になった原因(心臓病、感染症、そのほか)を特定することが治療の第一歩です。
X線検査や心電図などで調べて治療を始めます。原因が特定されれば、治療法も定まります。
肺水腫自体の治療法としては、肺にたまった水分を除去するための利尿剤による内科療法、呼吸困難の場合は酸素吸入などの処置を行います。


肺気腫

気管支炎や、腫瘍などで気管支が狭くなったりすると、まわりの肺胞が傷ついてしまいます。
傷がつくと、肺胞がふくらんで空気が入ることになり、肺気腫になります。気管支の異常のほか、ひどくせきをすることで、肺胞が壊れ肺気腫になることもあります。

【治療】
気管支炎や腫瘍が原因の場合は、まず原因を取り除くための治療を行います。それ以外の場合は、安静にしてゆったりと休ませて様子をみるようにしましょう。

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<皮膚の病気>


アレルギー性皮膚炎

アレルギー反応によって皮膚に炎症が生じる病気です。特に有害な物質でなくても、体内に入ると防御反応としてアレルギー反応が起こり、その結果皮膚に炎症が起きます。
アレルギーの原因となる物質はさまざまですが、ホコリ、ダニ、化学物質、食物などが代表的なものとされています。

【症状】
耳や目の周囲、脇の下や腹部などの皮膚が赤くなり、ひどい痒みを伴います。 
なめたりかいたりすることで脱毛が起こったり、皮膚がただれることもあります。

【治療】
食物が原因となっている場合は、アレルギー用の処方食を与えます。ホコリやダニが原因である場合は、生活している場所を頻繁に掃除するようにします。
また、同時に痒みを抑える効ヒスタミン剤や炎症を抑えるステロイド薬などを投与します。

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膿皮症

犬の皮膚病で比較的多い病気です。皮膚で化膿性細菌の繁殖が起こり、化膿して強い痒みが起こります。
ふだん、皮膚には多くの細菌が存在しますが、免疫力の低下などに伴って皮膚の抵抗力が落ちると、細菌が異常繁殖してしまいます。

【症状】
脇の下や指の間などの柔らかい部分に多く発生します。最初は皮膚が赤くなる程度ですが、進行すると膿が生じ、痒みがひどくなります。

【治療】
患部周囲の毛を刈り、薬用シャンプーで洗い、患部に抗生物質の軟膏を塗ります。症状がひどい場合は、抗生物質の飲み薬も同時に投与します。

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脂漏症

皮脂腺の分泌の異常による病気。内分泌系の異常や、寄生虫感染、栄養不足、アレルギーなどが原因となります。

【症状】
皮脂腺からの分泌が異常増加して、皮膚や披毛がべたつくようになるのが「脂性型」。
皮脂の分泌が少なくなって皮膚の乾燥が進み、カサカサになるのが「乾性型」です。

【治療・予防】
「脂性型」は、皮脂のベタベタをとる抗脂漏シャンプーで薬浴します。脂肪酸製剤などの飲薬も効果があります。
「乾性型」は、フケがでる場合は保湿効果のあるシャンプーや、ビタミンA剤などの飲薬を用います。
食餌の栄養バランスに気をつけましょう。

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疥癬症

疥癬症は、ダニの一種であるイヌセンコウヒゼンダニが皮膚に寄生して起きる皮膚病です。 
このダニに感染している犬の首輪やブラシなどから感染します。皮膚にダニがつくと皮膚の中にトンネルを掘り、動き回ります。
メスのダニはその中に卵を産み、ふ化した幼ダニが、皮下で成長して、犬は強烈な痒みに襲われます。

【症状】
柔らかいひじや耳、おなか、かかとなどに発症しやすいのが特徴です。
始めは赤く膨らんでいるだけですが、痒いために犬がかくので傷ができます。出血してその傷口から細菌感染して二次感染し、脱毛も起こります。

【治療・予防】
全身の毛を刈って、薬用シャンプーやダニを殺す薬で薬浴させます。
痒みがひどい場合は痒みを抑える抗ヒスタミン剤なども与えます。
また、この感染症は、人間にも感染することがあるので、赤い発疹、激しい痒みなどの症状が現れたら、飼い主も皮膚科で検査を受けるようにしましょう。

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ノミアレルギー性皮膚炎

ノミが血を吸う時、ノミの唾液が犬の皮膚に入るため、唾液に含まれる「パプテン」というたんぱく質に対してアレルギー反応が起こり、皮膚炎になります。

【症状】
腰の背中、足のつけ根、後ろ足、腹部にみられます。始めは赤い発疹ができ、赤く腫れます。痒みが激しくなると、眠れなくなることもあります。
痒くてひっかくことで、二次感染が起きたり、毛が抜けてしまいます。

【治療・予防】
まず、ノミを駆除することです。ノミの駆除薬や、飲み薬のほか、皮膚に垂らすタイプなどが代表的です。
また、ノミはイヌ条虫という寄生虫を運ぶ役目も行うので、ノミの駆除は大切です。


皮膚真菌症

糸状菌というカビが原因で起きる皮膚病です。糸状菌が皮膚につくと、毛根の中に菌糸を伸ばしていきます。菌糸が入った毛はもろくなり切れてしまい脱毛します。

【症状】
痒みがあまりみられないのと円形状に脱毛するのが特徴です

【治療】
カビを殺す薬で薬浴、場合によっては抗生物資を使うこともあります。

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ホルモン異常による皮膚病

甲状腺機能低下や副腎皮質機能亢進などホルモンの代謝異常のため起こります。

【症状】 
左右対称に脱毛が起き、痒みはありません。

【治療】
ホルモン療法を施します。

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毛包虫症

ニキビダニとよばれる寄生虫が皮膚の皮脂腺に寄生し、脱毛や皮膚炎をひき起こす病気です。
毛包虫は、多くの犬に多少は寄生していますが、健康な犬の場合は抵抗力があるため大量に増殖せず、症状は現れません。免疫力や抵抗力が低下すると、症状が現れやすくなります。

【症状】
母犬からおっばいを飲む時に感染するため、口や目のまわりなどが脱毛しはじめます。初期にはあまり痒がりませんが、悪化するとニキビのようなものができたり皮膚がただれたりして痒がります。
さらに、患部が全身に広がると、赤い水疱ができたり、皮膚が黒ずんだりしてきます。

【治療・予防】
ニキビダニを殺す抗生物質を内服または注射します。同時に、殺ダニ剤の薬浴を行い、根気よくダニを排除します。
抵抗力の弱い子犬や高齢犬に多いので、初期症状の脱毛の有無をよく調べること。

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ツメダニ症

ツメダニというダニの一種が皮膚に寄生して炎症を起こす病気です。

【症状】
非常に痒がります。皮膚が赤くなり、かさぶたのようなぶ厚いフケが重なり、そのフケをめくると小さなツメダニがたくさん寄生しています。毛の先端にツメダニが付着して白い粉がふいているようにみえることもあります。毛も抜けやすくなります。

【治療】
殺ダニ効果のある薬を使った薬浴で、ぶ厚いフケをしっかりと洗い落とします。ダニが大量寄生している時は、全身の毛を刈ると完治が早くなります。
また、ツメダニは人間にも感染します。強い痒みを感じたり、赤い発疹ができた時は、犬の治療と同時に、人間も皮膚科で治療を受けましょう。

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<感染症>


ジステンパー

イヌジステンパーウイルス(パラミクソウイルス・モルビリウイルス属)が原因。飛沫感染(犬のくしゃみなど)間接感染(感染している犬の使用した食器など)直接感染(直接感染している犬に触れる)の3つの感染経路があります。伝染性・死亡率ともに高い病気です。

【症状】
感染後4〜6日で発症します。発熱、食欲不振、結膜炎、元気がなくなるなどの症状が現れた後、嘔吐、下痢、せき、くしゃみなどの消化器と呼吸器の症状が出現します。
さらに進行するとウイルスは脳にまで達し、てんかん、筋肉の痙攣、下半身の麻痺といった神経症状が現れます。

【治療・予防】
感染初期なら免疫血清が有効な場合がありますが、症状が進行しているとウイルスに対する確実な治療法はありません。
細菌の二次感染を防止するために、抗生物質の投与、対症療法として輸液の実施、利尿薬や強肝剤の投与も併用します。 
予防法としては、母犬の移行抗体が消失する時期(生後2?3カ月)にワクチン接種を行います。
通常は生後9週目と15週目、その後は1年に1回の追加接種が必要です。ワクチンの接種前にはほかの犬に近づけないようにしてください。

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イヌ伝染性肝炎

イヌアデノウイルス型(アデノウイルス・マストアデノウイルス属)が原因で、感染犬の尿・唾液がほかの犬の口の中に入ることによって感染します。 
症状が急激に進んで突然死するものから、症状が現われない不顕性感染まで、病気の形はさまざまです。
単独では死亡率は10%程度ですが、混合感染が起こるとかなり高くなります。

【症状】
高熱と虚脱状態から急死する「突発性致死型」と、発熱や食欲不振、嘔吐、肝臓の腫大、黄疸が起こり死亡する「重症致死型」があります。
発熱、角膜炎、鼻水などの軽い症状が2?10日間続いたのちに治癒する「軽症型」と、 症状がみられない「不顕性感染型」に分かれます。

【治療】
ウイルスそのものに対する有効な治療法はないため、治療は二次感染の防止や肝臓の再生を促すための対症療法が中心になります。
二次感染防止には抗生物質の投与、肝臓の回復には強肝剤、ビタミン剤、ブドウ糖やアミノ酸などの輸液などが有効です。

【予防】
母犬の移行抗体が消失する時期(生後2?3カ月)にワクチン接種を行います。通常は生後9週目と15週目、その後は1年に1回の追加接種が必要です。ワクチンの接種前にはほかの犬に近づけないようにしてください。

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ヘルペスウイルス感染症

イヌヘルペスウイルス(ヘルペスウイルス・アルファヘルペスウイルス属)が原因で起こります。
感染経路ははっきりとはわかっていませんが、ウイルスの経口感染や、母親からの胎盤感染などによると考えられています。 
生後2週目以内の子犬に感染すると致命的ですが、それ以降だと無症状の場合が多い感染症です。

【症状】
成犬の場合は軽い鼻炎程度の症状しか示しませんが、子犬の場合は食欲不振、黄緑色の軟便や下痢、呼吸困難、腹部を押さえると痛がるなどの症状が現れ、異常な鳴き声をあげて急死します。

【治療】
有効な治療法はありません。抗生物質の投与や保温などの方法はありますが、急死することが多く、治療が間に合わないことが多いです。

【予防】
ワクチンは開発されていません。
発病があった犬舎は塩素系洗剤で十分に消毒します。感染した子犬の母親は繁殖に使用しないようにしてください。

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ケンネルコフ

パラインフルエンザウイルスとイヌアデノウイルス?型、マイコプラズマ、細菌などの混合感染によって起こります。

【症状】
コフ(せき)という病名どおり、せきが特徴。運動したり、気温が変化したり、興奮した時に発作のようにせき込んだり、のどになにかがつかえたようになります。
軽症であれば数日で治まりますが、ひどくなると肺炎を起こすこともあります。

【治療】
抗生物質での治療や、吸入器を使って気管支を広げる気管支拡張剤を吸入させるのも有効です。

【予防】
母犬の移行抗体が消失する時期(生後2?3カ月)にワクチン接種を行います。
通常は生後9週目と15週目、その後は1年に1回の追加接種が必要です。ワクチンの接種前にはほかの犬に近づけないようにしてください。

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パルボウイルス感染症

イヌパルボウイルス(パルボウイルス・パルボウイルス属)が原因。感染した犬の糞便、嘔吐物などに口や鼻が触れることによって感染します。
伝染性はきわめて高く、感染した犬に触れた人間の手指や衣服が感染源となるケースもあります。子犬がかかるのが特徴です。

【症状】
ウイルスの感染部位によって「心筋型」と「腸炎型」があり、「心筋型」は、突然不整脈になって、呼吸困難になって30分以内に急死する例もあります。
 「腸炎型」は、激しい嘔吐から始まり、ついで発熱、脱水、下痢、食欲不振、元気消失などの症状が現れます。
下痢便は、灰白色からトマトジュース状の粘液便へと変化します。
子犬が感染した場合の死亡率がきわめて高い病気です。

【治療】
原因となるパルボウイルスに効く抗生物質はないので、体力をつけて、下痢や嘔吐による脱水状態を改善するために、酸素吸入や輸液を行います。
二次感染防止として抗生物質を投与します。水や食物を与えると嘔吐をひき起こすので、与えないようにしてください。
また、感染力が強いので、ウイルスに汚染されたと思われるすべてのものは消毒してください。

【予防】
母犬の移行抗体が消失する時期(生後2?3カ月)にワクチン接種を行います。通常は生後9週目と15週目、その後は1年に1回の追加接種が必要です。
ワクチンの接種前には、ほかの犬に近づけないようにしてください。

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コロナウイルス感染症

イヌコロナウイルス(コロナウイルス・コロナウイルス属)によって起きる腸炎です。非常に感染力が強いのが特徴です。
また、前出のパルボウイルスと同様、死亡率が高い病気です。感染した犬の嘔吐物・糞便に口や鼻が触れることによって感染します。
伝染力はきわめて高く、パルボウイルスとの混合感染が起こると死亡率は一層高くなります。

【症状】
成犬は抵抗力があるため、無症状で終わることが多いですが、子犬の場合は重症で、突然死もありえます。
突然、元気がなくなって、食欲不振、下痢、嘔吐、脱水などの症状から始まります。特に、下痢便は、オレンジ色を帯びた粥状をしています。


【治療】
対症療法を行います。輸液、抗生物質、整腸剤、下痢止めなどを投与します。

【予防】
母犬の移行抗体が消失する時期(生後2?3カ月)にワクチン接種を行います。通常は生後9週目と15週目、その後は1年に1回の追加接種が必要です。
ワクチンの接種前には、ほかの犬に近づけないようにしてください。

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キャンピロバクター感染症

キャンピロバクターが、感染犬の糞便から口に入ることにより感染します。人にも感染し、腸炎をひき起こす原因となる、人畜共通感染症です。

【症状】
下痢、発熱、腹痛、嘔吐などが起こります。適切な治療を行えば回復は早まります。

【治療】
抗生物質を与えるほか、輸液、下痢止めなど、症状に応じて対症療法を行います。

狂犬病

狂犬病ウイルス(ラブドウイルス・リッサウイルス属)が原因。
発病している動物の唾液中にウイルスが存在し、これがかみ傷などから感染します。
人を含めたすべての哺乳類に感染します。
発病すると致死率100%の怖い病気です。

【症状】
「狂躁型」と「まひ型」に分類されます。「狂躁型」は1?4週間の潜伏期の後に不安、挙動異常などの前駆期があらわれます。
2?4日後に凶暴性を発揮し、やがてまひ期に移行して最終的には死に至ります。
「まひ型」は凶暴性を示さずに前駆期からまひ期に移行し、起立不能、昏睡状態になり死亡します。

【治療】
治療法がないので、ただちに安楽死処分となります。

【予防】
狂犬病予防法により、年1回の予防接種が義務づけられています。

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レプトスピラ病

犬レプトスピラ菌が原因。ネズミによって伝播され、ネズミの尿に汚染された、水や土壌に触れて感染します。人畜共通感染病。

【症状】
感染後7〜14日で発病し、発熱、筋肉痛、粘膜の充血が起こります。「出血型」は消化器や泌尿器に異常がみられ、嘔吐、血便、尿の異常が起こります。
「黄疸型」は「出血型」よりも症状が激しく、急死する場合も多いようです。
症状をみせない「不顕性型」もあります。

【治療】
抗生物質の投与。同時に輸液、強肝剤、利尿剤なども投与します。

【治療・予防】
症状が進まない早いうちに、原因となった傷口部分を組織ごと取り除き消毒します。その後、傷口と全身にペニシリンを投与し、菌の毒素を中和する血清を注射します。
土のある場所でケガをしたら、どんなに小さな傷でも、オキシドールで十分な消毒を。

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寄生虫


イヌ条虫症

イヌ条虫という寄生虫が原因。瓜の種が並んでいるようにみえることから瓜実条虫ともいわれます。
ノミが中間宿主となって伝染します。犬の小腸内に寄生した成虫が卵を産み、その虫卵を含んだ片節(イヌ条虫の一部)が、排便の際、便と一緒に排泄されます。
この虫卵をノミの幼虫が食べると、ノミの体内で感染子虫に育ち、さらにそのノミを犬が飲み込むことによって感染します。

【症状】
寄生数が多くない場合は無症状であることが多いですが、多数寄生すると食欲不振、軟便または下痢、削痩などの症状が現れます。
便の表面に白い米粒状の片節が付着していることで、寄生していることが判明します。

【治療】
イヌ条虫用の駆虫薬を使って駆虫します。

【予防】
ノミが中間宿主になっているため、ノミを退治することが肝心です。

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回虫症

イヌ回虫、またはイヌ小回虫が原因です。寄生虫がいる犬の糞便の中にある虫卵を、ほかの犬が口に入れることで感染します。
また、イヌ回虫は、母親から胎盤を通して子虫が子犬へと移行することもあります。
イヌ回虫は多くの犬に寄生しています。

【症状】
子犬に多数の回虫が寄生していると元気消失、下痢、嘔吐、発育状態が悪いなどの全身症状がみられ、腹部がはった感じになってきます。重症の場合は神経症状を起こして死亡することもあります。
また、妊娠している犬が感染すると胎盤を通して胎児に感染することもあり、生まれた子犬が死亡することもあります。

【治療】
駆虫薬を投与します。症状が重い場合は下痢止めなどの対症療法も併用します。

【予防】
便はすみやかに処理するようにします。また、ほかの犬の糞便に近づけないでください。
定期的に糞便検査を受けるようにしましょう。

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鉤虫症

イヌ鉤虫が原因。糞便とともに排泄された虫卵がふ化し、口または皮膚から犬の体内に入ります。母犬の胎盤や乳汁からの感染もあります。

【症状】
成犬は軽症ですむ場合もありますが、子犬や幼犬が感染すると重症で死亡する場合もあります。
胎盤や授乳で感染した「甚急性鉤虫症」の場合は生後1週間ほどで発症し、下痢と貧血を起こして急死します。
急性の場合は食欲不振と粘血便がみられ、貧血も起こります。また、特徴的な症状がほとんどない「慢性型」もあります。

【治療】
駆虫薬を投与します。貧血がひどい場合は輸血や輸液も行います

【予防】
犬の糞便はすみやかに処理するようにします。また、ほかの犬の糞便にも近づけないように。定期的に糞便検査を行いましょう。特に胎盤感染を防ぐために、交配させる前には、便の検査を受けましょう。定期的に駆虫薬を与えるのもよい方法です。

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コクシジウム症

コクシジウムという原虫が原因。糞便とともに排泄された、オーシストと呼ばれる段階のコクシジウムを口に入れることによって感染します。  
十二指腸の腸管細胞内で繁殖するため、腸内の細胞が破壊されてしまいます。

【症状】
腸の粘膜が傷つくので、下痢をくりかえし、血便や粘血便が特徴です。下痢のため、脱水、体力低下がみられます。 
細菌などの二次感染を起こしやすく、子犬は特に注意が必要です。

【治療・予防】
駆虫薬を使ってコクシジウムを駆除します。
定期的に糞便検査を行いましょう。

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鞭虫症

鞭のような形をしたイヌ鞭虫が原因です。外界に排泄された虫卵が口から摂取されて感染します。

【症状】 
少ししか寄生していない場合は、ほとんど症状はみられません。寄生数が多いと軟便や下痢などの消化器症状がみられます。

【治療・予防】
駆虫薬の投与を行います。
定期的に糞便検査を行いましょう。

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バベシア症

マダニを媒介にして、バベシア原虫が原因で起こる病気です。感染している犬にマダニが寄生した時、血液に含まれるバベシア原虫がマダニの身体に入り、そのマダニが別の犬に寄生した時、バベシア原虫の感染が起こります。

【症状】
バベシア原虫は犬の赤血球に寄生し、赤血球を破壊するため、感染すると重度の貧血に陥ります。発熱や黄疸、尿が褐色になったり、腹部がはったりすることもあります。

【治療・予防】
バベシア原虫に効果がある抗原虫剤で原虫を駆虫すると同時に、貧血に対する薬物療法を併用します。また、犬の皮膚に付着しているマダニをつぶさないようピンセットでつまみ取って駆除します。
マダニは草木の多い地域に多く生息するため、山野付近に出入りしないよう、また、家が山野に近い場合や、山野に出かけた時は、犬に付着したマダニを駆除する薬や感染予防薬を、定期的に利用しましょう。

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消化器の病気



急性胃炎


胃の内側の粘膜が炎症を起こす病気です。腐敗した食べ物や、ごみなどの異物、農薬や化学薬品などの毒物が原因で起こります

【症状】
嘔吐をくりかえすのが特徴です。水を飲んでも吐く状態が続き、脱水症状が起こります。時には、嘔吐物の中に、血が混じることもあります。

【治療】
症状によって治療法が異なります。
嘔吐をくりかえすと体内の水分がなくなり、脱水状態になります。ひどい脱水状態になった時は、点滴などで輸液を行います。脱水状態が軽度の場合は、絶食をさせて様子をみます。
異物などによる嘔吐の場合は、異物を取り除くのが先決です。いずれにしても、早い治療が大切です。

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胃捻転

胃内のガスが発酵して、胃自体がねじれる状態が胃捻転です。胃捻転の原因は、食餌をすごいスピードで食べて、大量の水を飲むことで起きやすくなります。
食欲旺盛な犬や育ち盛りの子犬、グレート・デンやスタンダード・プードル、ボクサー、秋田犬などの大型犬に起こりやすい病気です。

【症状】
おなかが膨れた感じになり、呼吸が苦しそうになります。また、よだれの量が増えてきます。
いつもと違う様子でうろうろ歩いたり、おなかの部分を触ると痛がったりして、吐こうとしているが吐けない状態が続きます。

【治療】
すぐに動物病院へ連れていってください。
胃捻転であれば、一刻も早い手術が必要です。

【予防】
食餌の量は一定にして、1日2?3回に分けて与えましょう。水は、常に置いておき、一気にガブ飲みさせないようにしましょう。また、食べてすぐの運動は避けること。

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胃潰瘍

胃の内側の粘膜に傷がつく病気です。腫瘍や、腎不全、肝不全、低血圧や薬の副作用などで発病します。

【症状】
吐くのが特徴です。
吐いたものには、血が混ざっているので茶色になります。便の中に血が混ざっている時もあります。
胃潰瘍の時は茶色の嘔吐物ですが、真っ赤な嘔吐物の場合は肺から出血している可能性もあるので、吐いたものの色を、よく注意してみるようにしてください。

【治療】
原因となる腫瘍を切除して治します。軽傷の場合は、胃酸を抑制するための、制酸薬、H2ブロッカーを投与します。重症の場合は、潰瘍部分を取り除く手術を行います。

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腸炎


腸の中の粘膜が、慢性的に炎症を起こす病気です。寄生虫やアレルギーなどいろいろな原因が組み合わさって起こります。

【症状】
嘔吐、あるいは下痢が特徴です。嘔吐と下痢の両方がある場合もあります。水を多量に飲んだり、口臭がひどくなったり、元気がなくなったりしてきます。

【治療】
粘膜の炎症を抑えるために、ステロイド剤を投与します。完治するには時間が必要で、長い場合は半年かかることもあります。
食餌も気をつけて与えるようにしてください

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腸閉塞

腸に何かが詰まってしまい、腸の働きが悪くなる病気です。
異物を飲み込んで腸に詰まってしまったりするのが主な原因です。
大きな異物でなくても、細いヒモなどが少しずつ詰まって、最後に腸が詰まってしまうこともあります。また、腫瘍や寄生虫が原因で詰まることもあります。

【症状】
元気がなくなり、食欲もなくなります。嘔吐する場合もあります。腸の詰まり具合によって症状は異なります。
完全に詰まってしまい、水さえも通らなくなったら、脱水状態になり腎臓の障害が起きることもあります。

【治療】
手術で、原因となる異物を取り除きます。何よりも、ふだんの生活で、異物を飲みこまないように注意すること。
特に子犬は、好奇心が旺盛で何でも口に入れてしまうので、目を離さないようにしましょう。
目を離す時は、リードをつけたりケージに入れたり、危険なものは絶対に出しておかないように十二分に気をつけてください。

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泌尿器の病気

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腎炎

腎臓に炎症が起きている状態です。炎症が起きることで、腎臓の機能が低下します。原因となるのは、フィラリア症(→133P)、子宮蓄膿症(→166P)、中毒、糖尿病(→173P)、感染症(→146P)などです。

【症状】
尿の量が少なくなり、色が濃くなります。また、血尿が出ることもあります。食欲不振になり、元気がなくなります。全身にむくみがあることもあります。
急性腎炎で重症になると、嘔吐したり、目が小刻みに震えたり、まっすぐ歩けなくなります。

【治療】
点滴や食餌療法により、体液の量を増やして尿の量を増やし、体内の老廃物を体外に排出するようにします。
腎不全にならないように細心の注意を払って時間をかけて治療します。
尿の回数や、色の異常を、できるだけ早くみつけるのが最大の予防につながるので、尿のチェックをする習慣をつけましょう。

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腎不全

腎臓の働きが悪くなり、有害な物質が体外に排泄されず、血液中に老廃物がたまって、全身に障害を及ぼします。腎不全には、大きく分けて「急性腎不全」と「慢性腎不全」があります。

【症状】
「急性腎不全」は、急性腎炎や尿路結石によって起こります。腎臓の機能が急激に悪化し、嘔吐や食欲不振、下痢などの全身症状が現れます。脱水状態になり、尿毒症を併発することもあります。
慢性腎不全」は、急性ほど目立った症状はみられませんが、食欲不振が続き、やせていきます。たまに吐いたり、軽い下痢をしたりします。

【治療】
輸液や薬などで尿の量を増やします。同時に、食餌制限を行います。

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尿路結石症

腎臓、尿管、膀胱、尿道を尿路と呼びます。
この尿路のどこかに結石ができる病気です。犬の結石はその9割が膀胱と尿道にできます。
結石は、食餌や水に含まれている、マグネシウムやカルシウム、尿酸などのミネラル分と、尿の中のたんぱく質などが結合してできるものです。
膀胱炎などの尿路感染や、水分の不足、食餌の食べ過ぎなどにより、結石ができやすくなります。

【症状】
尿道と膀胱結石になると一回に出る尿の量が減り、尿の回数が増え、尿の出方が悪くなります。
尿が出ないのに、何度も尿をしようとするのも特徴です。
尿がまったく出ないという状態は、膀胱に尿がたまりすぎて膀胱が破裂したり、老廃物の毒素がたまって尿毒症になったりする大変危険な状態です。すぐに病院へ連れていきましょう。

【治療・予防】
尿路にできた結石を手術で取り除く方法が、根治療法となります。
尿道結石の場合は、細い管で膀胱の方に結石を押し出してから膀胱を開いて取り出します。予防のためには、ミネラル分の摂取量を制限し、水分をたっぷりとるようにしましょう。

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膀胱炎

泌尿器の感染症で一番多い病気で、細菌感染がほとんどです。オスよりメスのほうが尿道が短いので、細菌に感染しやすく、膀胱炎にかかりやすいのが特徴です。

【症状】
尿の量が少なく、回数が多くなります。尿をしたすぐ後にも、尿意をもよおして、何度も尿をしようとします。
尿の色は濁った色で、重症になると血尿が混ざって臭いも強くなります。発熱する場合もあります。

【治療・予防】
尿の検査をし、細菌を特定して、その菌に合った抗生物質を投与します。
膀胱炎は、よくある病気ですが、そのまま放っておくと、腎臓まで炎症がおよび、全身性の疾患になることもあるので、早めにしっかり治療しましょう。
予防としては、尿の回数や、色を毎日チェックするようにしましょう。水を十分飲ませることも忘れずに。

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肝臓の病気


急性肝炎

肝炎は、何らかの理由で肝臓が働かなくなる病気です。
急性肝炎になる原因としては、化学物質による中毒や、薬やウイルス、細菌などが考えられます。

【症状】
嘔吐や下痢をくりかえすのが特徴です。そのため、元気がなくなったり、ぐったりすることもあります。
食欲がなくなり、元気もなくなります。目の白い部分が、黄色くなる黄疸の症状が現れたら重症です。

【治療】
まず、原因を取り除くこと。中毒なら、化学物質を中和したりして解毒させます。薬の投与は止めます。細菌やウイルスが原因の場合は、抗生物質などで原因菌を退治します。
肝炎の治療としては、まず、安静と食餌が基本です。食餌は高栄養と低脂肪、ビタミン類を食べさせます。
薬物治療としては、肝臓の細胞を強くするビタミン剤、たんぱく質などを投与します。

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イヌの伝染性肝炎


生殖器の病気


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子宮蓄膿症


子宮が細菌感染して炎症を起こし、子宮の中に膿がたまる病気です。5歳以上のメスにみられます。

【症状】
多くは発情期終了後2?3カ月以内に発症します。水をよく飲むようになって尿の量も増えます。
膿がたくさんたまってくると、お腹が膨れたり、触ると嫌がるようなそぶりをみせるようになります。
陰部から、膿や血の混ざった膿が出て、症状が進んでくると食欲がなくなったり、貧血や腎不全などを併発したりすることもあります。

【治療・予防】
子宮と卵巣の摘出手術を行います。
妊娠出産を希望する場合は炎症を抑えるための抗炎症剤や抗生物質、ホルモン剤などの投与を行いますが、再発することが多いため、外科手術が原則です。
子どもを産ませないのであ
れば、避妊手術をしておけば、病気の予防にもなります。

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乳腺炎

出産後、子犬に授乳している時に起こる病気で、細菌感染や、乳汁の分泌が多過ぎる時に起こります。

【症状】
乳腺が熱を帯び、しこりができます。さわると痛がることもあります。
また、全身が発熱したり、黄色い乳汁が分泌されることもあり、痛みのためイライラしたり、食欲が低下したりという症状がみられます。

【治療】
授乳中の場合は、即、授乳を中止します。
まず、腫れている部分を水でぬらした布でよく冷やすこと。また、マッサージをすると炎症がひどくなることがあるので、マッサージはしないでください。
細菌感染が疑われる場合は、抗生物質を投与します。
感染していない時は、炎症を抑えるための抗炎症剤で治療します。
出産していないのに、たびたび乳腺炎になる場合は、避妊手術によって再発を抑えることができます。

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前立腺肥大

老化により精巣からのホルモンの分泌が悪くなって起こる病気です。
症状が現れていなくても、高齢犬の半数以上に前立腺の肥大があるといわれているので注意が必要です。

【症状】
前立腺の肥大そのものによる症状はありません。
ただし、肥大によって、前立腺の近くにある直腸や尿道、膀胱などが圧迫され、便秘や排尿困難などをひき起こすことがあります。


【治療・予防】
肥大が軽く、無症状または症状が軽いうちは、内服薬やホルモン剤を体内に埋め込む方法もあります。
肥大が進んでいる場合は、前立腺の除去手術をすることもあります。
若いうちに去勢手術をしておけば、前立腺の肥大は起こりません。

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停留睾丸


オス犬の睾丸は通常、生後1カ月程度で陰嚢の中に収まりますが、たまに途中で留まって、陰嚢に入らないことがあります。
これが停留睾丸です。

【症状】
生後1カ月を過ぎたオス犬の陰嚢を外から触ると、中に固いものが入っているのが分かります。
この固いものが睾丸ですが、停留睾丸の場合は、陰嚢を触っても、中には何も入っていません。
片側だけのこともあれば、両方とも入っていない場合もあります。
片方が正常な位置にあれば、生殖能力を心配する必要はありません。
停留睾丸そのものは特に問題はありません。ただし、体内に留まっている睾丸は後で腫瘍の原因になることがあります。

【治療】
特に治療は必要ありませんが、停留睾丸は腫瘍になりやすいため、摘出手術を受けておくと安心です。

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腫瘍


乳腺の腫瘍

乳房にできる腫瘍で、犬の腫瘍では最も多く発生するものです。
メスに発生する腫瘍の50%以上を占めています。

【症状】
避妊手術をしていない10歳以上のメスに多くみられ、乳房や乳頭にしこりが生じます。  
良性・悪性の割合は半々ですが、悪性の多くはしこりが急激に大きくなります。

【治療】
外科手術で周囲の健康な部分ごと腫瘍を摘出します。腫瘍が1つだけでない場合は、腫瘍のできた側の乳腺すべてを切除することもあります。転移の可能性がある時は、抗ガン剤を併用することもあります。

【予防】
1歳までに避妊手術を受けることにより、乳腺腫瘍の確率は大幅に低下します。
将来子どもを産ませる予定がない場合は、避妊手術を受けさせるようにしましょう。
何よりも、早期発見が重要です。月に1回程度乳房周囲をさわり、しこりがないかどうかチェックしてください。

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皮膚の腫瘍

皮膚や皮下にできる腫瘍で、乳腺の腫瘍に次いで発生が多い腫瘍です。
皮膚の腫瘍には、良性のものと悪性のものとがあります。
良性のものには腺腫、脂肪腫、上皮腫などがあり、悪性のものには肥満細胞の腫瘍、腺癌、扁平上皮癌などがあります。

【症状】
外見上では、皮膚にしこりができるのが、共通した症状です。
ただし、肉眼ではその判別は難しく、また、皮膚病や外傷との区別がつきにくい場合もあるので、皮膚にしこりをみつけた時は、必ず獣医師の診察を受けるようにしてください。

【治療】
早期の腫瘍なら、周囲の健康な部分ごと摘出することでほとんど完治します。
腫瘍が大きくなっていたり、ほかの場所に転移している場合は、抗ガン剤などを併用することもあります。
皮膚の腫瘍は、注意していれば比較的みつけやすいものです。
手入れの時などに全身の皮膚をくまなく触り、しこりがないかどうか調べてあげましょう。みつけた場合は早めに動物病院で診察を受けてください。

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腹腔の腫瘍

消化器や泌尿器などの、体の中の臓器にできる腫瘍です。
症状が現れにくいため、発見が難しく、気づいた時には手遅れになっていることもあります。平滑筋腫を除くと、悪性であることが多いため、早めにみつけることが大切です。

【症状】
腫瘍のある場所によって多少異なりますが、元気がなくなる、やせてくる、吐く、下痢をする、便や尿が出にくくなったり血が混じったりするなどが主な症状です。

【治療】
腫瘍が小さいうちに発見できた場合、外科手術で摘出すれば完治します。
しかし、腹腔の腫瘍は進行してから気づくことも多く、その場合は完全に腫瘍を除去することが難しいため、抗ガン剤などの化学療法も併用して行います。
8歳以上の犬は、定期的に健康診断を行い、腫瘍を含めた病気の早期発見を心がけましょう。

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口腔の腫瘍

歯茎や舌、口の粘膜などにできる腫瘍です。
良性の腫瘍にはエプリス、乳頭腫、骨腫などがあり、悪性の腫瘍には、悪性黒色腫、扁平上皮癌、線維肉腫などがあります。
【症状】
口の中にしこりができるのが特徴です。口臭やよだれが多い、口からの出血といった症状を示すこともあります。

【治療】
口腔の腫瘍は、顎の骨に転移していることが多いので、手術をして、顎の骨ごと腫瘍を切除します。
歯石を除去する時にみつかることが多いので、定期的に動物病院で歯石の除去とチェックをしてもらいましょう。
小さい時から歯を磨く習慣をつけていれば、家庭でのチェックも可能です。

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骨の腫瘍

ふつう腫瘍は、中高齢の犬に多く発生しますが、骨の腫瘍は例外で、2歳前後の若い犬、特に大型犬の前足によくみられます。

【症状】
足をひきずるなど、歩行に異常が現れたり、足の腫れがみられます。 
外傷やねんざがないのに足をひきずっている場合は、獣医師の診察を受けたほうがよいでしょう。
骨の腫瘍は、骨腫を除くと悪性であることが多いため、早期発見が重要です。

【治療】
肺などへの転移が多い腫瘍なので、治療には腫瘍の部分だけでなく、足を切断する必要があります。
たった数日の遅れが生命を左右するため、発見したら早急に動物病院へ連れていきましょう。

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リンパ肉腫

顎の下や腋の下などにあるリンパ節にできる腫瘍です。治療しないと平均3カ月前後で死亡するため、早期発見と治療が大切です。

【症状】
リンパ節の腫れがみられるのは共通ですが、腫瘍の場所によってほかの症状はやや異なります。

【治療】
抗ガン剤を注射すれば、約80%はリンパ節の腫れがひいて一時的に元気になります。
発熱や感染がみられないのに、複数のリンパ節が腫れている場合は、すぐに動物病院へ連れていって診察を受けましょう。

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内分泌・ホルモンの病気


糖尿病

膵臓から分泌されるインスリンというホルモンの量が不足する病気です。
インスリンは血液中のブドウ糖を細胞内に取り込んだり、体内で脂肪やたんぱく質を合成する働きをもつホルモンで、取り込めなかった糖分が尿に含まれるようになるため、糖尿病と呼ばれます。
インスリンの分泌が悪くなる最大の原因は太り過ぎ。また、遺伝的な要因やストレス、ウイルス感染などが原因になることもあります。

【症状】
インスリンが不足するため、ブドウ糖を細胞内へ吸収することができなくなります。
尿の量が著しく増加し、犬はのどが渇いて水を大量に飲むようになります。
同時にたんぱく質も失われるため、食欲が増加しますが、体内にたんぱく質や脂肪をたくわえることもできなくなるため、やせてきます。
重症になると、腎不全や白内障などの病気を併発したり、末期になると、嘔吐や呼吸困難が起きます。早期発見、早期治療が重要です。

【治療・予防】
血糖値を測定し、その量に応じた治療を行います。
軽症の場合は、食餌療法を行います。繊維質が多い低カロリーの食餌を与えましょう。動物病院の処方食を与えるのもよい方法です。
重症の場合はインスリンの注射をします。一番の予防は、肥満を防ぐこと。適度な運動と食餌量を心がけましょう。
また、メスの場合は避妊することによってある程度発生を抑えることができます。

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副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)

副腎から分泌されるホルモンの量が多くなることによって起こります。
原因は、腫瘍やステロイドの長期投与があげられます。7歳以上の犬によくみられ、プードルやダックスフンド、ポメラニアンなどに多く発生します。

【症状】
水を大量に飲むようになり、尿の量も増加します。
おなかがはれ上がったり垂れ下がったりして、毛が乾燥して弾力がなくなります。食欲が異常に増加するのも特徴です。

【治療】
ステロイドの長期投与が原因となっている場合は、その量を徐々に減らしていきます。必ず獣医師に相談し、指示を仰いで受けてください。
副腎皮質の働きを抑える薬剤などを、生涯にわたって投与する必要があります。

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尿崩症

視床下部でつくられる抗利尿ホルモンの分泌が少なくなったり、ホルモンが分泌されても腎臓が反応できない場合、つねに大量の尿がつくられるようになります。
視床下部の腫瘍や炎症、泌尿器系の病気、ステロイド剤などの投与が原因です。

【症状】
水を飲んでも飲んでも欲しがり、多量の尿をします。目安としては、一日体重1kgにつき100ミリリットル以上飲むと要注意です。

【治療】
薬物投与が原因になっている場合、獣医師の指導のもとで投与を中止します。ほかの病気が原因と思われる場合は、その病気を治療します。
飲ませる水の量を制限することは、脱水症状をひき起こす原因になるため危険です。いつでも飲みたいだけ水を飲ませるようにしましょう。

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甲状腺機能亢進症・低下症

甲状腺の腫瘍、遺伝的要因、ほかのホルモンの分泌異常、またはストレスなどにより、ホルモンの分泌が過剰になって起こるのが甲状腺機能亢進症です。
甲状腺機能低下症は、甲状腺が萎縮したり破壊され、ホルモン分泌が低下することによって発生します。

【症状】
亢進症の場合は、興奮しやすくなり、食欲が増加する一方で、体重は減ってきます。
水を大量に飲み、尿の量が増え、脱毛が起きることもあります。
機能低下症の場合、元気がなくなり、食欲不振になりますが、体重は増えてきます。寒さに弱くなることもあります。

【治療】
甲状腺機能亢進症の場合、甲状腺ホルモンの分泌を抑えるために抗甲状腺薬を投与したり、甲状腺の一部を手術で除去したりします。

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脳神経の病気


てんかん発作

脳の神経細胞に、何らかの異常が起きて、口に泡をふいて倒れたり、痙攣、足をつっぱったようになります。 
原因としては、脳炎、脳腫瘍など脳自身の問題と低血糖、低カルシウム症、低酸素症、高カルシウム血症、ストレスなどがあげられます。
1〜3歳時に起こりやすく、原因が特定できない特発性てんかんもあります。

【症状】
突然つっぱったようになり倒れます。意識がなくなり、口から泡をふき出します。 尿や便が出てしまうこともあります。通常30秒以内でおさまります。
発作は一度だけで終わることがほとんどですが、何度も連続してくりかえされる場合は、命にかかわることもあります。できるだけ早く病院へ連れていきましょう。

【治療】
原因がわかった場合は、その治療を行います。特発性のてんかんの場合は、薬物療法が一般的です。抗てんかん剤を与えます。発作を起こした時は、びっくりして気が動転しがちですが、決して犬を無理におさえたりしてはいけません。あわてずに、犬が発作で動き回ってケガをしないよう周囲に気を配り、様子を見守りましょう。

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水頭症

脳の内部にある脳室に多量の脳脊髄液がたまって、脳を圧迫します。

【症状】
圧迫される脳神経により、症状が異なります。大脳皮質が圧迫されると、四肢まひや運動失調が起きます。大脳辺縁系だと性行動に変化がみられたり、攻撃的になったりします。視床下部では多量に食べたり、食べなくなったりします。

【治療】
脳圧を下げるために、副腎皮質ホルモンや降圧利尿剤を投与します。一時的に症状はよくなりますが、再発することもあります。手術もできますが、完治するのは、難しい病気です。

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ホーナー症候群

目から首のつけ根付近に走っている迷走神経に異常が起きる病気です。
目の異常だと思われがちですが、神経の病気です。首のつけ根の椎間板が傷ついたり異常を起こしたり、外耳炎や中耳炎など耳の病気により、神経が炎症を起こしたりします。炎症が原因にもなります。

【症状】
迷走神経に異常が起き、瞳孔が小さくなったり、まぶたが腫れたり、瞬膜が外に飛び出たりします。
片側の目だけがおかしくなるのが特徴です。

【治療】
症状をひき起こす原因を、まず取り除きます。
病気になっている顔の表面をマッサージしてあげると回復が早くなります。

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心の病気


支配性による攻撃性

支配しようとして、攻撃的になる犬がいます。これは、性格的、先天的な部分に起因するといわれています。そのひとつが、犬の脳内にある神経伝達物質セロトニンの量。セロトニンが少ないと攻撃性が高くなります。
また、成長過程で甘やかして育てたことなども原因になることがあります。
【症状】
1〜3歳の若い犬にみられます。
大好きなおもちゃや食べ物を取りあげるなど、気に入らないことをするとうなったり、かみついたりします。耳を前に立て、目をしっかり開け、しっぽを立てて威嚇します。

【治療】
先天的なことが起因するので、完治は難しいといえます。
オスの場合は、去勢、薬物療法としてセロトニンの減少を抑える薬などを投与します。
行動療法も時間がかかりますが有効です。
○ 食餌は飼い主の後に与える
○ 外に出るのは排泄の時のみ
○ 目を合わさない、話かけない、無視する
などを続けて犬が甘えてくるようになったら、人間がリーダーであることを教えます。
○ アイコンタクトをとる
○ 犬を抱く、腹ばいにしてなでる
○ おすわり、ふせ、まてなど
をしてから要求に応える
ことなどを教え続けます。

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恐怖による攻撃性


子犬の時からほかの犬と接触がなく、生後早い時期に、母親から離された不安な状態で育ったことなどから、まわりのものに過敏に反応して、恐怖心から攻撃します。

【症状】
ほかの犬や、知らない場所に連れていくと怖くて逃げ出したり、怖さのあまり耳をベったりと倒し、しっぽを両足の中に丸め込むようにし威嚇したりします。

【治療】
抗うつ剤や精神安定剤などの薬を使いながら行動療法を行います。
脱感作療法(少しずつ刺激に慣れさせる療法)も有効で、恐怖に陥った時に、大好きなおもちゃや食べ物を与え、怖い悪いというイメージを少しずつ取り除いていきます。
子犬の時から、積極的に外に連れていったり、犬同士で遊ばせたり、たくさんの人に遊んでもらうこと、なでてもらうことが、最大の予防です。

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ペットの薬
Pet Kusuri 
犬の病気

犬の病気はさまざまです。犬は何も言えないので、飼い主が気をつけて 気づいてあげなければなりません。
病院に度々 いくのは大変です。
病院に行く前に 相談したい・・・
そんな方にお答えします。
病院の先生が相談にお答えします。
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